自作PCパーツ選びの本音と迷い
今回、自作PCを組む大きなきっかけとなったのは、話題の仮想通貨Pi Network(パイ・ネットワーク)のノード運用を本格的に始めるためでした。Piのノードは、単なるスマホアプリだけでなく、安定稼働できるWindowsやLinuxのパソコンが必須です。できれば多コア・多スレッド・省電力な構成が理想。そのためにどんなパーツがベストなのか?を真剣に検討することになりました。
実は仮想通貨ノードの運用って、思った以上に地味で長丁場な作業です。常時稼働させたいから、消費電力や静音性も重要になるし、突発的なトラブルにも強い構成にしたい。しかも、コスパは最優先。
用途はPiノード運用専用のみ。だから高額なゲーミング構成には踏み切れないけど、性能には妥協したくない。そんな感じでこのパソコンの構成にした私が実体験として深掘りしながら紹介していきます。
Core i7-14700/B760M-E D4はどんなマザー&CPUか
今回の主役はCore i7-14700とASUS B760M-E D4というミドルクラスのマザーボード。このセットアップは、コスパ・将来性・安定性のバランスが絶妙です。
Core i7-14700 BOX (パソコンSHOPアーク)

マザーボード(ASUS B760M-E D4)は、先日すでにあったマザーボードが壊れているかと思って追加で買ったけど、壊れていたと思ったマザーボードが動き始めたので使っていなかったもの。
Core i7-14700は、8つの高性能Pコア+12の省エネEコア=合計20コア/28スレッドという最新ハイブリッド設計。高性能と省電力のいいとこどりで、日常作業からクリエイティブ用途まで幅広く対応可能です。さらに、内蔵グラフィック(UHD 770)も搭載しているので、グラボがなくても画面出力に困ることはありません。
前回CPUを購入した時は、名前の最後にFがついたものを買ったがために、CPUにグラフィックが内蔵されていなかったのでちょっとめんどくさいことになりました。それが理由で無駄なマザーボードを買ったといってもおかしくありません。今回は名前にFなしのGPU内蔵がいいなと思っていて、ちょうどよいのが見つかりました。
B760M-E D4はLGA1700対応・DDR4メモリ対応で、手持ちのDDR4-3200/3600などがそのまま使えるのが強み。Mini-ATX規格で省スペース型のPCケースとも相性抜群。公式サポートでも第14世代CPU対応が明記されており、BIOSアップデートで安心して使えます。
手持ちパーツ活用!電源・メモリ・SSD追加でコスパ最強
今回の構成では、すでに持っていた電源と16GBメモリ(DDR4)をそのまま活用し、新たにSSDを注文しました。
電源はPCの心臓部ですが、近年の電源ユニットは品質が良く寿命も長いものが多い。容量(例えば500W~650W、私のは750Wですね。)がしっかり確保できていて、認証の80PLUS Bronze以上がついていれば、グラボ非搭載・省電力CPU構成には十分です。
メモリは16GBあれば、普段使い・Webブラウジング・Office作業・軽い編集系作業なら困ることはまずありません。しかも、B760M-E D4はDDR4-3200や3600なども使えるため、拡張性も抜群。
そしてSSDですが、最近は1TBクラスでも非常に安くなり、読み書き速度も爆速。最新世代のNVMe SSDを追加するだけで、体感速度が一気に向上します。つまり、使えるパーツは流用しつつ、新規パーツだけ最新化、つまり無駄な出費なしで性能を最大限に引き出せる方法です。
グラフィックボード(GPU)は本当に必要?省電力モデル徹底比較
PC自作=グラフィックボード必須、と思っている人も多いですが、2025年現在の現実はだいぶ違います。
とにかく最新ゲームを最高画質でやりたい、AI・動画編集でGPUパワーを限界まで使いたいという人でなければ、CPU内蔵グラフィックス(i7-14700ならUHD 770内蔵。)だけでも十分です。
たとえば、動画再生やOffice作業、軽い画像編集、YouTubeやSNS、2Dのゲームまでなら、内蔵GPUでサクサク動きます。しかも、内蔵GPUなら消費電力は最小限に抑えられ、PCの発熱も静音性も抜群です。
私の場合は最初、13700F(第13世代のCPU)を購入するしかないかなと思っていて、でもちそれにょっと少しプラスすればCore i9-13900F(32スレッド)が買える値段だったので(13700のFなしGPU内蔵はなぜか高額で120000円くらいなので却下)、画面を出力するためだけに最低限の電力のGPUを探していましたがCore i7-14700を購入することによって必要なくなりました。以下はFを購入する場合の最低限のが消費電力で稼働するGPUリスト。(今回は不要)
- RX 6400 LP(ロープロファイル、消費電力約50W)
- GTX 1050 Ti(消費電力75W)
- RX 550(消費電力50W前後) このあたりが狙い目です。新品でも1万円台、中古ならさらに安く、外部電源も不要。グラボ=電気食いの時代はもう過去です。
ロープロファイルGPUとは?省スペース構成の極意
ロープロファイルとは、グラフィックカードや拡張カードの物理的な高さを抑えた省スペース設計のこと。宅配便のダンボールと、ポストに入るレターパックくらいの差があります。
スリムケースや小型PCでも使えるので、省スペース派・静音派にはうってつけ。実はロープロモデルは消費電力も低く、冷却性能も“ほどほど”で静かさも両立しやすいのが魅力。増設時もスロット干渉が少ないので、レイアウトの自由度が高いです。
Core i9-13900と14700で揺れる心──価格差と市場背景
2025年6月現在、Core i9-13900(グラフィック付き)はAmazonで12万円超え、F型(グラフィックなし)でも7万円前後。それに対しi7-14700は5万円以下で買える状況。
この価格差は、単なる性能の違いだけではなく、市場流通・在庫・需要のバランスによるもの。i9-13900無印は在庫僅少プレミア状態で、特にグラフィック付きは法人需要やサーバー向け需要、終売によるプレミア化で価格が跳ね上がっています。
対してi7-14700は、流通在庫も多く、性能も申し分なし。内蔵グラフィックもあり、汎用性・価格・バランスで考えれば今一番コスパがいいと思います。
消費電力・多スレッド・コスパで今選ぶべき最適CPUはどれ?
30スレッド前後で消費電力控えめ&価格も安め――この条件を満たすCPUは意外と少ない。第14世代Intelなら、i9-13900F(24コア32スレッド・TDP65W)、i7-14700(20コア28スレッド・TDP65W)が筆頭です。
第14世代Intelのi7-13700(24スレッド)も検討しましたが、思い切ってコスパが良いi7-14700BOX(28スレッド)にしてみます。
どれもB760M-E D4で使えますが、実売価格・消費電力・スレッド数のバランスでi7-14700のコスパが突出。
Ryzen 9 7900(12コア24スレッド)も選択肢ですが、マザーの選択肢や価格の柔軟性ではIntel+B760Mが有利です。
14世代Intelの不具合騒動を徹底検証
ネットを調べると、14世代Intelは不具合が多い、高温になる、安定しないといった声もちらほら。でも、これには冷静な解釈が必要です。
確かに、初期のBIOSやmicrocodeが古いままの環境では、消費電力や電圧が高止まりし、待機中でも温度が上がるケースがありました。しかし、2024年後半から2025年初頭にかけて各マザーボードメーカーがBIOSアップデートとIntel Baseline Profileへの対応を進めたことで、現在は安定運用が可能。
不具合が心配なら、まずBIOSを最新にする。これが一番確実な予防策です。最新BIOS+PL1/PL2設定で、発熱・消費電力・安定性は格段に改善されています。
実際にCore i7-14700を購入してみた理由
いろいろ迷った末に、最終的に選んだのがCore i7-14700 BOXでした。その理由はシンプルです。
・内蔵グラフィック(UHD 770)搭載で追加GPUが不要 ・B760M-E D4なら手持ちメモリや電源も流用できる ・新たにSSD(高速NVMe)を追加して体感速度UP ・価格はパソコンSHOPアークで48,980円という圧倒的コスパ
グラフィック非搭載のF型や、プレミア価格のi9を選ばなくても、自分の用途に最適なスペックを最小限の予算で手に入れることができた満足感があります。
14700/B760M構成のメリット・注意点まとめ
メリット ・省電力・多コアで長期間快適に使える ・初期費用を抑えつつ、グラフィックやメモリは用途で増設OK ・パーツ流用・新規追加で無駄のない構成が可能 ・BIOSアップデートなどで不具合リスクも低減
注意点 ・組み立て前にBIOSバージョンを要確認 ・冷却や電源容量、ケースのエアフローも忘れずチェック ・本格ゲーミングやクリエイティブな作業が増えたら、外部GPU・メモリ増設も検討
よくある質問(FAQ)
Q. 14世代Intelの不具合は本当に大丈夫? A. 最新BIOSと適正な電力設定をすれば、一般的な用途では問題なく安定稼働するします。
Q. 省電力・多コア構成で電気代は? A. 内蔵GPU&省電力CPUなら、アイドル時は一般的なノートPCレベルの消費で安心。
Q. B760M-E D4に他のGPUを挿せる? A. PCIeスロットがあるので、将来必要になったら簡単に増設可能です。